Google Workspace週次アップデートまとめ(2025年12月5日)
今週のGoogle Workspaceアップデート10件をまとめ。Workspace StudioでAIエージェント作成、GmailからChatへの共有、DriveのGeminiインサイトなど、AI連携機能が多数登場しました。
今週のアップデート概要
2025年12月5日週のGoogle Workspace Updatesブログで発表されたアップデートをまとめてお届けします。
今週はAI関連の大きな発表が目立ちました。Google Workspace Studioの正式リリース、GmailとChatの新しい連携、DriveへのGeminiインサイト追加と、Geminiを軸にしたWorkspace全体の統合が進んでいる印象です。Meet関連も複数のアップデートがあり、特にハードウェア周りの改善が充実しています。
1. Workspace StudioでAIエージェント作成
今週最大の発表は、Google Workspace Studioの正式リリースでしょう。
ノーコードでAIエージェントを作成・管理・共有できるプラットフォームです。「毎週金曜日に進捗をリマインドして」のような自然言語で指示するだけで、Geminiがエージェントを作ってくれます。
従来のルールベース自動化とは異なり、状況を判断して適応できるのが特徴です。メールの優先度判断、サポート問い合わせのトリアージ、コンテンツ生成など、これまで人間の判断が必要だった領域に踏み込んでいます。
Gmail、Drive、Sheetsなど普段使っているWorkspaceアプリと連携するので、既存の業務フローに組み込みやすいのも魅力です。
2. GmailからChatへメール共有
GmailのメールをGoogle Chatへ直接共有できるようになりました。
「さっき転送したメールの件だけど」とチャットで話し始めても、相手がまだメールを見ていない——そんな状況を解消する機能です。Gmailのスレッド画面から、ワンクリックでChatのダイレクトメッセージやスペースに共有できます。
元のメールとチャットの会話が双方向でリンクされるのがポイント。どちらからでもコンテキストを辿れるので、「あの話どこでしてたっけ」という迷子状態を減らせます。
3. DriveフォルダにGeminiインサイト
フォルダを開くだけで、中身のファイルをGeminiが自動的に要約して表示してくれる機能が追加されました。
「このフォルダには何が入っていたっけ」とファイルを一つずつ開いて確認する手間が省けます。もっと詳しく知りたい場合は、Geminiのサイドパネルで質問もできます。
ただし、現時点では英語のみ対応という制約があります。日本語環境での実用性は限定的かもしれません。
4. DriveのファイルビューアUI刷新
Google Driveで外部ファイル(PDF、動画、画像、音声)を開いたときの表示画面が刷新されます。
PDFには左側に目次とサムネイルが表示されるようになり、長い資料でも目的のページにたどり着きやすくなります。動画では文字起こしからキーワード検索ができるようになり、「あの発言どこだっけ?」という場面で威力を発揮しそうです。
エディションによる制限がなく、全ユーザーが恩恵を受けられるのも嬉しいポイントです。
5. Chatスペースへの参加リクエストを制御
スペースのオーナーやマネージャーが、「参加リクエスト」機能を無効化できるようになりました。
これまで、制限付きスペースへのリンクを持っていれば、誰でも参加許可を求めることができました。今回の変更で、リンクからの参加リクエスト自体をブロックできるようになります。
機密性の高いスペースを運用している場合、不要なリクエスト対応の手間を省けます。
6. Meetライブ配信の字幕言語選択(モバイル)
Google Meetのライブ配信を視聴するとき、モバイルデバイスで字幕の言語を自分で選べるようになりました。
プレゼンテーションやイベントで言語の壁を越えやすくなります。グローバルチームでの利用に便利な機能です。
7. Meet翻訳字幕が広東語対応
Google Meetの翻訳字幕機能に広東語が追加されました。
広東語の発話をリアルタイムで他の言語へ翻訳できます。香港や広東省のチームとのコミュニケーションがスムーズになるでしょう。教育機関でも活用できそうです。
8. Meetハードウェアの新UI
Google Meetハードウェアのタッチコントローラー向けに、新しいUIがロールアウトされます。
対象デバイスはMimo Vue HD、Mimo Mist、Logitech Tap、Logitech Tap IP、Lenovo Series Oneなど。より効率的で直感的な会議管理が可能になります。
9. Connect room:超音波で会議室に接続
個人デバイスから会議室のMeetハードウェアに簡単に接続できる「Connect room」機能が登場します。
会議コードを手入力する代わりに、超音波による近接検出で近くのMeetデバイスを自動認識。スムーズに会議を開始できます。現在アーリープレビュー段階です。
10. Meet ChromeOSコントローラーでBYOD
Chrome OSタッチコントローラー搭載のMeet会議室で、BYOD(Bring Your Own Device)が可能になりました。
Lightware周辺機器スイッチャーとの連携により、USB-Cケーブル1本でノートPCを会議室のディスプレイ、スピーカー、マイク、カメラに接続できます。自分のPCで作業しながら、会議室の設備を使えるのは便利です。
今週のハイライト
今週のアップデートを振り返ると、いくつかのトレンドが見えてきます。
AI統合の加速: Workspace Studio、Geminiインサイトと、Geminiを軸にした機能が増えています。単なるアシスタントから、実際の作業を代行するエージェントへと進化しつつあります。
アプリ間連携の強化: GmailとChatの連携は、Workspaceアプリ同士の壁を低くする動き。メールとチャットを行き来する手間が減ります。
Meetハードウェアへの投資: 複数のMeetハードウェア関連アップデートがありました。リモートワークとオフィスワークのハイブリッド環境を意識した改善が続いています。
まとめ
今週はAI関連の大型発表が目立った週でした。
特にWorkspace Studioは、Google WorkspaceにおけるAI活用の新しい扉を開くものです。ノーコードでAIエージェントを作れるプラットフォームとして、業務自動化の敷居を大きく下げる可能性があります。
GmailとChatの連携強化も実用的な改善です。メールとチャットの使い分けに悩んでいた方にとって、両者の行き来がスムーズになるのは嬉しいアップデートでしょう。
来週もアップデートがあればお届けします。