Google Workspace週次アップデートまとめ(2026年2月20日)
今週のGoogle Workspaceアップデート8件をまとめ。管理コンソールのGemini利用状況レポート、Connected SheetsでのBigQuery ML予測、Lyria 3による音楽生成、Meetの「メモを作成」強化など、AI活用の幅が広がった週でした。
今週のアップデート概要
2026年2月20日週のGoogle Workspace Updatesブログで発表されたアップデートをまとめてお届けします。
今週は8件です。管理者向けにはGemini機能の利用状況を可視化するレポート機能、ユーザー向けにはMeetの「メモを作成」への新しいコントロールが追加されました。Google Sheetsではコードを書かずにデータ予測ができるようになり、GeminiアプリではLyria 3による音楽生成が利用可能に。AI活用の幅が着実に広がっています。
1. 管理コンソールでGemini機能の利用状況としきい値レポートが確認可能に
組織内でGemini機能がどれだけ使われているかを、管理コンソールから確認できるようになりました。
具体的には、機能別・アプリ別の利用データと、アクティブユーザー数を可視化するレポートが追加されています。どの機能がよく使われていて、どの機能はほとんど使われていないかが一目でわかります。しきい値レポートでは、一定の利用水準に達していない機能を検知できます。
これまでは、GeminiをWorkspaceに導入したものの「実際にどの程度使われているのか」を把握する手段が限られていました。管理者がGeminiサブスクリプションの費用対効果を判断したり、利用が伸び悩んでいる部門への活用支援を計画したりする際に役立ちます。Gemini導入済みの組織は、まず現状把握から始めてみるとよいでしょう。
2. Windowsデバイスのローカル管理者アクセス制御が改善
Google Endpoint ManagementでのWindows 10/11デバイス管理が、より柔軟になりました。
これまではGoogle Workspace管理対象デバイスに対してローカル管理者アクセスを維持しながら、特定のユーザーだけをGWSで管理するという細かな制御が難しい状況でした。今回のアップデートで、ローカル管理者権限を保持させつつ、Google Workspaceのポリシー管理下に置くというような、粒度の細かい設定が可能になっています。
日本企業では、ITシステムの担当者が社内のWindowsデバイスをGWSで一元管理しつつ、現場の特定担当者にはPC設定の変更権限を残しておきたい、というニーズが少なくありません。そういった状況で役立つアップデートです。
3. Connected SheetsでBigQuery MLとTimesFMを使った予測データ生成が可能に
Google Sheetsから直接、機械学習モデルを使ったデータ予測ができるようになりました。
Connected Sheetsを通じてBigQueryに接続している状態で、BigQuery MLのモデルとTimesFMの時系列予測モデルを活用できます。予測の実行にSQLやPythonなどのコードを書く必要はありません。スプレッドシートの操作に慣れているユーザーが、そのまま予測分析を試せます。
ただし、利用にはBigQueryへの接続が前提です。すでにBigQueryでデータを管理している組織で、分析担当者がいない場合でも「とりあえず予測を試してみる」入り口として活用できます。まずConnected SheetsとBigQueryの連携が整っているかを確認してみてください。
4. GeminiアプリでLyria 3によるカスタムサウンドトラック生成が可能に
GeminiアプリでLyria 3を使ったサウンドトラック生成が利用可能になりました。
テキストまたは画像のプロンプトから、最長30秒のカスタムサウンドトラックを生成できます。Lyria 3はGoogleの最新音楽生成モデルで、プレゼン動画やSNS投稿のBGMを手軽に作れます。商用利用に必要な著作権クリアランスの問題も、AI生成であれば基本的に発生しません。
詳しい機能の解説は、個別記事を参照してください。
5. Google Meetの「メモを作成」に新しいユーザーコントロールが追加
Google Meetの「メモを作成」(Take notes for me)機能に、参加者側の制御オプションが追加されました。
グリーンルーム(会議前の待機画面)で、AIメモ取りが起動しているかどうかを事前に確認できます。参加者自身がAIメモ取りをオフにする選択肢も提供されており、プライバシーへの配慮を自分で判断できます。
日本の職場では、「会議の内容がAIに記録されることへの不安」を持つ方がまだ多い印象です。事前に状況を把握して自分で判断できる仕組みが整ってきたことは、AIメモ取り機能の普及を後押しするはずです。
詳しい機能の解説は、個別記事を参照してください。
6. 「メモを作成」の管理者向け事前設定が追加(Gemini Alpha対象)
「メモを作成」機能について、管理者とユーザーが会議前に設定できるオプションが追加されました。対象はGemini Alphaユーザーの一部への限定展開です。
前のセクション(アップデート5)との違いを整理すると、アップデート5は参加者がグリーンルームで確認・変更できる機能です。こちらのアップデート6は、管理者が組織全体の初期設定として「メモを作成」の挙動を事前に定義したり、ユーザーが会議を作成する段階で設定を調整したりできる管理側の機能です。
組織として「すべての会議でAIメモを有効にしておきたい」あるいは逆に「デフォルトでは無効にしておきたい」という方針を持っている場合に、管理者側から一括設定できるのは運用面で助かります。Gemini Alphaへのアクセスがある組織は確認してみてください。
7. Google ClassroomのAI提案フィードバック機能で教師の負担軽減
Google Classroomで、記述課題に対してAIがフィードバック案を提示する機能が追加されました。
AIが個々の生徒の回答に対して具体的なフィードバック案を生成し、教師はそれを確認・調整した上で送信できます。フィードバック作成に費やしていた時間を削減しながら、個別指導の質を維持することを狙っています。
日本の教育現場でも、採点やフィードバック作業が教師の業務負荷の大きな部分を占めているという課題があります。Google Classroomを導入している学校や教育機関は、この機能が正式に展開されたタイミングで試してみる価値があります。Googleは教育AI分野での展開を加速しており、今後も関連アップデートが続くと見ています。
8. Googleグループで「グループ詳細を編集できるユーザー」権限の設定が可能に
Googleグループに、新しい権限設定「グループ詳細を変更できるユーザー」が追加されました。
グループのオーナーまたはマネージャーが、グループ名や説明などの詳細情報を編集できる権限を、特定のロールに限定して付与できます。これまでは詳細編集の権限範囲が大まかでしたが、より細かい権限管理ができるようになっています。
組織の規模が大きくなると、Googleグループを多数作成・管理するケースが増えます。グループ情報の更新を担当者に委任しながら、権限の範囲は絞っておきたいという場合に便利な設定です。
今週のハイライト
今週のアップデートを振り返ると、いくつかの傾向が見えてきます。
AI管理の可視化が進む: Gemini利用状況レポートの追加は、「導入したけど使われているか分からない」という管理者の悩みに直接応えるものです。AI機能の展開が進むほど、利用状況の把握と費用対効果の評価は重要になります。可視化ツールが整備されてきたことで、Gemini活用の次のステップ——利用促進の施策立案——に踏み出しやすくなりました。
会議前コントロールの強化: アップデート5と6はどちらもMeetの「メモを作成」に関係していますが、視点が異なります。参加者がグリーンルームで自分の意思を確認・表明できる仕組みと、管理者が組織ポリシーを設定できる仕組みの両面が整備されています。「AIが会議を記録することへの懸念」を組織として扱うための基盤が、少しずつ整ってきています。
AI活用の広がり: 音楽生成(Lyria 3)、データ予測(Connected Sheets + BigQuery ML)、教師フィードバック支援(Classroom)と、AI機能の適用領域が多様化しています。単一の用途にとどまらず、それぞれの業務文脈にAIが組み込まれる流れは加速しています。
まとめ
今週はAI機能の管理・制御と、実務への応用拡大の両面が目立つ週でした。
管理者には、まずGemini利用状況レポートの確認をお勧めします。どの機能がどの程度使われているかを把握することが、次の活用計画の出発点になります。
Meetの「メモを作成」については、グリーンルームでの新しい制御機能をチームに共有しておくとよいでしょう。参加者が事前に設定を確認できることを知ってもらうだけで、AIメモ取りへの抵抗感は下がることがあります。
来週もアップデートがあればお届けします。